年収の壁シリーズ③パートでも社保に入れるの?「週20時間の壁」と「106万円の壁」の正体
- honnetesr

- 2月13日
- 読了時間: 4分
更新日:2月17日
こんにちは!社会保険労務士の原です。
徐々に暖かい日が増え、春の足音も少しずつ感じられるようになってきましたね。ただ、娘の通う幼稚園ではインフルエンザが流行し、学級閉鎖のクラスも……。まだまだ体調管理には油断ができませんね。
でも実は、職場が対象であっても、そこで働く“全員”が自動的に加入できるわけではありません。 最後に待ち構えているハードルは、「あなた自身が、どれくらい働いているか」という条件です。
最近よく耳にする「年収106万円の壁」の正体は、まさにここにあります。
■ 基本のルールは「4分の3」
昔からある基本ルールはこちらです。
正社員の4分の3以上の時間・日数で働いている人は、社会保険の加入対象。
たとえば、正社員が週40時間働いている職場なら、「 週30時間以上」働くパートさんは加入対象になります。
■ 最近話題の「週20時間以上」って?(特定適用事業所)
「週30時間も働いていないけど、社会保険に入るの?」と不安になる方も多いですよね。
現在、従業員数51人以上の会社(=特定適用事業所)では、次の4つすべてに当てはまると、短時間労働者でも社会保険に加入することになります。
週の所定労働時間が 20時間以上
月額賃金が 8.8万円以上 (※交通費は含みません/額面)
2か月を超えて 働く見込みがある
学生ではない
これが、いわゆる「106万円の壁」の正体です。


【Check!】さらに、これからは「全員」が対象になる時代へ
今までは「従業員数51人以上の会社」などが条件だった「106万円の壁(社会保険の加入義務)」ですが、政府はこの企業規模の要件を撤廃する方針を固めています。
つまり、「小さな会社で働いているから私は関係ない」という時代が終わり、多くの人が自分で社会保険に入る時代がすぐそこまで来ています。
「壁が勝手に壊される」のを待つのではなく、制度が変わる今だからこそ、自ら一歩踏み出して「保障を手に入れる働き方」を検討してみませんか?
制度が変わることは、より多くの人が手厚い保障を受けられるチャンスでもあります。
■ 私が「知ってほしい」と願う理由:ある苦い経験
ここで、私が会社員として働いていた頃の体験を少しお話しさせてください。
ある職場で、年金事務所の調査が入ったことがありました。その際、私が入社するよりも前の時期の社会保険の取り扱いについて、本来加入すべき方が加入されていなかったことが分かったのです。
私は、対象となる方お一人ずつに説明して回りました。
「どうして今さら、過去にさかのぼって高い保険料を払わなきゃいけないの!」「会社のミスでしょ!納得できない!」
会社側に悪意があったわけではなく、制度が複雑で分かりづらいこともあり、結果的に“加入漏れ”が起きてしまっていたケースでした。
社会保険は、あとから「加入漏れ」が発覚すると、過去にさかのぼって保険料を請求されることがあります。
本来、働く人を守るための制度が、理解の不足によって会社と従業員の信頼関係を壊してしまう。そんな悲しいトラブルを、私はこの仕事を通じて一件でも多く防ぎたいと心に誓いました。
■ 「壁」を恐れるか、未来を選ぶか
手取りが減る不安は、本当によく分かります。でも、
後からまとめて請求されるリスクを避けるため
将来の年金
いざという時の病気やケガの手当
こうした 一生モノの安心 を手に入れるためにも、正しい知識を持って「自分で働き方を選ぶ」ことが大切です。
「壁」は、あなたを邪魔するものではありません。あなたが“自分で選ぶため”に用意された、大切な基準です。

■ 人事・経営ご担当の方へ
短時間労働者の社会保険の取り扱いは、制度が頻繁に変わるうえ、判断を誤ると
過去にさかのぼった保険料負担
年金事務所からの是正指導
従業員との信頼関係の悪化
といったリスクにつながります。「うちは大丈夫かな?」と少しでも不安があれば、早めの確認・整理がおすすめです。



